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「Aion」開発秘話。飛行はE3で動画を見た人たちが勘違いしたことで生まれた

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2008年から2012年まで、LoLにその座を奪われるまで160週に渡って韓国のネットカフェシェアランキングの1位を守り続け、低迷しつつあった韓国のMMORPG市場に再び活気をもたらしたAion。
そのロンチまでの紆余曲折を現NCSOFT副社長のウ・ウォンシク氏がNCSOFTの公式ブログで語った。


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ウ・ウォンシク NCSOFT副社長兼Aion開発総括兼NCSOFT チーフテクノロジーオフィサー

開発中止の可能性もあったAion


Aionの始まりはあまり順調ではなかった。NCSOFTはリネージュの後、過酷な成長痛を経験していた。他の企業でも事情は同じであった。MMORPGの見通し自体が悲観的な時代だった。「Aionすらだめだったら一巻の終わり」というのが業界の一般的な考えだった。

実際には内部でも最初からAionが期待されていたゲームだったわけではない。NCSOFTの「コア」とすることができるプロジェクトは、どうしてもリネージュシリーズだったからだ。例えるなら、リネージュは嫡子、Aionは庶子だった。それほどサポートや関心が乏しい状況であった。2005年末、Aionの基本的な枠組みを持って、内部の従業員と記者数人を対象に非公開テストをしたところ、結果はあまり良くなかった。このテストを受けてのキム・テクジン代表の答えはこうだった。

「E3に出して反応がよければ継続するが、そうでなければこのプロジェクトは・・・」

Aionが迎えた危機は同時にチャンスでもあった。しかし、MMORPGジャンルがあまりにも苦戦を強いられている時期だったので、会社は慎重に動くしかなかった。私たちはE3出展を目標に全力を注いだ。ゲーム業界でロンチすることを入学試験だとすれば、その前にゲームショウに出すのは模擬試験のような感じだ。模擬試験の点数が取れないと勉強することすら諦めなくてはならない状況、誰もが切迫するしかなかった。

E3でAionが初めて公開された時、心配とは裏腹に反応が非常に良かった。「これで助かった」と思ったが、そこから思いもよらなかったことが起きた。ゲーム紹介用に入れた飛行演出画面への反応が良かった。問題は、人々がそれを実際にゲーム内で可能だと誤解をしてしまったことだった。質問が殺到し、イベント会場でNCSOFTの代表はこう答えてしまった。

「Aionは空を飛べます」

現場に来た人たちは動揺し、私たちは大きな衝撃を受けた・・・コンセプトに過ぎなかった飛行コンテンツを実際に適用しなければならない課題が生じたのだ。企画を全面修正し、プログラミングも最初からチェックしなければならなかった。誤解から生じたハプニングだったが、当時実装した飛行能力はその後Aionを代表するコンテンツとなった。

▼演出として空を飛ぶシーンを入れていただけだったE3 2006トレーラー




リネージュとWoWの中間


Aionを成功させるためには最初から新鮮なゲームである必要があった。NCSOFTのゲームを一言で定義するならば、リネージュはプログラマーが作ったゲームであり、リネージュ2はアートベースのゲームだとすることができる。私たちが定義したAionは、「上手く企画された様々なコンテンツが調和を成すゲーム」だった。リネージュではゲームの中を空にすることでプレイヤーに自由を与えたとするなら、Aionでは様々なクエストとコンテンツを詰め込んでストーリー体験に重点を置いた。

Aion開発の過程でWorld of Warcraftと差別化しようとはしたが、意図的にWoWを無視しなかった。むしろWoWを通じて視覚要素やクエストを編み出すノウハウなどを多く学んだことは事実だ。Aionはリネージュ2とWorld of Warcraftの中間程度の方向性を定めた。普段は個人あるいは少人数のグループごとにクエストを進行してダンジョンを回りながらコンテンツを消費するが、戦争が発生した場合お互いが力を合わせて相手種族の侵攻を防がなければならないという形に答えを見出した。戦場を別々に構成して種族間の対決を誘導した。ゲームの形もRvR(Realm vs Realm)あるいはPvPvE(Player vs Player vs Environment)で三角対立構造を持つように特徴付けた。

その結果、Aionはリネージュができなかったコンテンツベースのゲームを具現化し、World of Warcraftのシステムを補完して、プレイヤーにより深い没入感を与えた。それまであった大作を継承しつつ、プレイヤーがより簡単かつ便利に楽しむことができるような大衆性を備えたゲームだった。要するにAionは、当時ピークに達したNCSOFT開発技術の真髄が含まれている作品ということになる。


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続く?

ソース: NCSOFT
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