「どうすれば毎日ログインしてくれるかなんて考えなかった」 UOの元リードデザイナーが語る近年のゲームサービスのあやまち

そのコスター氏が、gamesindustry.bizのインタビューで最近の「サービスとしてのゲーム」の問題点を指摘しているので紹介する。
"豊かな代替世界への渇望"
- MMOはかなり古いテンプレートに嵌ってしまっているように感じる
- パーティを組んで、モンスターを倒して、レベルを上げて、の繰り返し
- 現在、複数の世代のプレイヤーがサンドボックススタイルの体験で成長している
- Runescape、マインクラフト、Roblox、グランドセフトオートオンラインに至るまで、プレイヤーは単にファンタジー世界で戦利品を探すだけの戦士になりたいわけではないのがわかる
- プレイヤーには、ハックアンドスラッシュでレベルを上げていくだけのゲームよりも豊かな代替世界への渇望がある
- サンドボックスのゲームプレイは単に客層を広げるだけでなく、代替世界を生き生きとさせる
- ウルティマオンラインを作った当時、他の会社はウルティマオンラインにクラフティング(製作システム)があることを馬鹿にしていた
- しかし今ではトゥームレイダーやアンチャーテッドですらクラフティングがある
- プレイヤーが様々な方法でゲームを楽しんでいることに人々が気づくまで時間がかかった
- MMOにはクリアに2時間もかかるようなものを実装しなければならないというイメージがある
- 趣味を毎日何時間もかかるようなものにする必要はない
- 奥深くて時間がかからないという点でインディゲームやモバイルゲームから得られる教訓もある
"古いMMOから間違った教訓を取り入れている”
- サービスとしてのゲームを作っている多くの人々は、古いMMOから間違った教訓を取り入れてしまっている
- エンゲージメントはプレイヤーの興味関心によって推進されるべき
- エンゲージメントはリテンションに導くために存在する
- ウルティマオンラインやStar Wars Galaxiesを開発していた時、「どうすればプレイヤーが毎日ログインしてくれるか」なんてことは考えなかった
- 2日あるいは1週間のプレイヤー復帰率を増やすことなんて気にしなかった
- 我々はいつも「この人が来月戻ってきてくれる必要がある」と考えていた
- 我々にはプレイヤーとの信頼関係を構築できるものが必要
- 不必要に絶え間なく続くようなアクティビティを推進しようとは思わない
- プレイヤーを毎日ログインさせようとする必要もない
- プレイヤーが架空の世界に関心を持ち、気にかけ、いつでも戻って来たいと思えるものが必要
- 「サービスとしてのゲーム」で行う全ての事には、長期的なものとして作られ、コミュニティを形成し、そして運営とプレイヤーの信頼関係を構築するという考え方が必要
- 訴訟や法的問題がルートボックス(ガチャ課金)を取り巻いているという事実は、それが途中のどこかで間違った方向に進んでしまったことを示している
コスター氏の考えはまさに昨今のオンラインゲームやスマートフォンゲームといった「Game as Service(サービスとしてのゲーム)」のあり方に一石を投じている。
「エンゲージメントはプレイヤーの興味関心によって推進されるべき」というのは、プレイヤーがそのゲームが気になって定期的にログインしたいという感情を、ログインボーナスやデイリーコンテンツのようなゲームプレイとは本質的には関係ないものによって喚起させるべきではないという考えだ。
ソース: gamesindustry.biz