スマホMMORPG「Tree of Savior M」 開発会社社長のインタビュー。PC版との違い等

Q. Tree of Savior Mはどんなゲームですか?
Tree of Savior M(以下、ToSM)は、PC版のTree of Saviorをモバイル環境に合わせてリメイクして開発したMMORPGです。モバイル版ですが、クロスプラットフォームでPCクライアントもサポートする予定です。
Q. ToSをまだ知らない方に魅力を説明してください。
まず、グラフィックのスタイルが一番の特徴です。絵画的なキャラクターを強調するために2Dイメージを組み合わせて作った表情と、様々なアクションを表現するために作った3Dモデルを組み合わせた可愛いキャラクター達がToSの魅力です。
また、戦闘の場合、ハック&スラッシュスタイルで作られた高速で激しい戦闘で構成されています。多くの敵が速いテンポで集まってくる設計で、狩りの楽しさを感じることができます。そしてハウジングや農場管理などの生活型コンテンツも備えられているMMORPGです
Q. PC版と比較すると、どこが同じで、どこが違うのですか?
似ているのは、世界観、キャラクター、背景などのグラフィックやシナリオはPC版に基づいているという点です。リメイクを経て、システム、アニメーション、エフェクト、物理エンジンなどは新しく作られました。見た目は似ていますが、新しく作られたゲームだと言えますね。
大きく変わったのは、クラス(職業)と成長の仕組みが変わった点です。PC版は1系列内の複数のクラスのうち3つを選択して組み合わせる方式であるのに対し、モバイル版は1系列内のクラスをすべて習得でき、いつでも状況に合わせて転職できるという点です。
Q.モバイル版の開発ではどのような点に苦労しましたか?
初のモバイルプロジェクトは、モバイルゲームが登場し始めた初期に研究プロジェクトとして始まったんです。だいたい2010年代前半頃だったようですね。その時は、スマートフォンでMMORPGをどれくらい実装できるのか不透明でした。ネットワークも不安定で、画面も小さく、性能も低かったからです。その後、時間が経つにつれて思ったより速くスマートフォンの性能と環境が発展し、ToSのモバイル版を作ることにしました。
初期に作ったToSMのプロトタイプは完全なMMORPGではなく、MMOを真似る方法で作っていました。フィールド上で実際のプレイヤーと遭遇する代わりに、仮想のプレイヤーキャラクターがBOTとして登場する方式で、サーバーに直接接続して動作するのではなく、たまにWebサーバーと通信するように作られました。これを実装するために仮想サーバーをクライアントに組み込むように実装しました。
それからモバイルMMORPGが大衆化し始め、5Gのような通信環境も普及し、事実上PC版とモバイル版の技術的違いがなくなり始めました。それで、ToSMも完全なMMOの形に変わりました。その時作った仮想プレイヤーキャラクターは今バージョンではマッチングができない時に仲間として登場するBOTに変化しました。
技術的な限界はほとんど克服しましたが、原作PC版の特色を生かしながらも他のMMORPGと差別化することが、最も苦労した要素でした。そこで長い間テストをしながら、独自の戦闘のテンポや仲間との協力プレイなど、利便性を整え補強しました。
Q.自動狩りや自動移動に対応しますか?
最後まで一番悩んだ部分でした。自動進行を多く可能にすると楽になりますが、ToS固有のゲーム体験が消えるのが残念で、それでも自動を抜いてしまうと操作が大変になったり、疲労感が大きくなるのが問題でした。
結論としては、最初の行き先は手動で選択し、その後からは自動的に進めるようにする方法で折衷案を作りました。狩りは自動戦闘に対応します。
Q. 狩りが自動でできるとゲーム的な楽しさが減ると感じるユーザーもいるようですが?
複数のキャラクターが登場し、繰り返しの攻略を通じて時間を最適化してランキング競争をする仕組みですので、操作の面白さというよりは管理の面白さに近くなっていると思います。それでも、挑戦に分類されたコンテンツでは自動だけでは高い成績を出すことが難しいため、手動操作や経験も重要です。
ただ自動狩りをすれば良いというだけでなく、状況によってどんなスキルを入れるのか、どの仲間を連れていくべきかによって効率が変わるため、掘り下げて研究する要素が存在します。
よくセットしておいた自分のキャラクターたちが一生懸命戦っている姿を見守っていると、キャンプ場に行って焚き火をぼーっと見ているような感じがする時があります。直接自分がゲームをプレイしているような感覚がありました。
Q.モバイル版が出るまでかなり時間がかかりましたが、時間がかかった理由はありますか?
紆余曲折がたくさんありました。PC版ToSの初代ディレクターだった元副社長が、リリース後に独立のため退社しました。その後、PC版ToSの新しいプロデューサーを決め、ゲームを大幅にリビルドするなどの作業を経ました。
その当時、戦闘の計算式から始めてアイテム体系、転職システムなどをすべて変更するなど開発量が多く、クライアントも64ビットに変えてマルチコアサポートも追加し、サーバー不安定問題なども解決しなければならず、私まで直接コーディング作業に参加するなどPC版のサポートに力を注ぎました。
Q.モバイル版はimc GAMESが直接サービスすることになったのでしょうか?何が変わったのですか?
はい。imc GAMES独自のサービスに戦略を転換しながら、サービス地域を韓国に変更し、日本ベータでゲーム的に不足していた点と安定性を補強し、昨年12月に韓国で1次クローズドベータテストを進めました。
1次CBT以降、ユーザーのフィードバックで共通して残念だった部分の一つが「古臭い」という点でした。開発初期にはPC版を忠実に移植するだけでも良いと思いましたが、時間が経つに連れて限界が見え始めました。近年、モバイル機器の性能は以前のPC性能を超えているため、ユーザーの期待度も高まったからです。
そこで近年のトレンドを反映するために物理エンジンを適用することにし、すべてのキャラクターのアニメーション設定作業を新たに行いました。そこに合わせてエフェクトやサウンドも新たに実装し、キャラクターはリマスターされました。そしてゲームプレイももう少しかっこいい印象を与えるように、すべての攻撃を範囲判定に変え、モンスター配置もそれに応じて変更しました。
ソース: dcnews